ヒグチユウコの猫の絵本
私は猫の絵本を描いていますが、意外と猫の絵本が多いのに気づきました。
ヒグチユウコさんも可愛い猫の絵本を描いています。
ヒグチユウコさんの作品を紹介します。
目次
ヒグチユウコさんについて
ギュスターヴくんB ヒグチユウコ フィギュアマスコット/ギュスターブ/GUSTAVE/ヒグチユウコ展/ガチャ/奇譚クラブ/サーカス/限定
画家、絵本作家。
東京都在住。
多摩美術大学卒業。
福沢一郎賞受賞。
個展開催を軸にあちゃちゃむ、メラントリックヘムライト、ホルベインなど様々な企業とのコラボレーション。
資生堂マジョリカマジョルカのイメージイラストなどで人気。
オリジナルブランド『Gustave higuchiyuko(ギュスターヴ)』を展開中。
ふたりのねこ
著者:ヒグチユウコ
文章構成:畑菜穂子
発行:2014年12月
発行所:株式会社祥伝社
ぼろぼろになったぬいぐるみの「ニャンコ」をこねこの「ねこ」がひろいます。
「ニャンコ」の飼い主を一緒にみつけようとしますが、なかなかみつかりません。
「ニャンコ」と「ねこ」は、「ニャンコ」の飼い主を探しながら、家族として楽しくすごしていました。
そんなある日、「ねこ」が熱を出して倒れてしまいます。
「ニャンコ」は必死で助けを呼びます。
「ねこ」は他の人間に助けてもらいますが、「ニャンコ」と別れてしまいました。
そして、そのうち「ニャンコ」の飼い主もみつかります。
人間の中には、自分勝手で動物や物を捨てたりする人もいます。
でも、相手を思いやる暖かい気持ちの2匹に心も温まる思いです。
それでいてキューンとせつない思いもします。
猫の顔などリアルに描かれている部分と服や背景のシンプルに描かれている部分の絶妙なバランスのイラストがステキです。
せかいいちのねこ
せかいいちのねこ
著者:ヒグチユウコ
初版発行:2015年11月
発行所:株式会社白泉社
「ふたりのねこ」に出てきた「ニャンコ」が主人公です。
「ニャンコ」は本物の猫になるために猫のひげを集めます。
途中で一緒に旅していた「アノマロ」がいなくなってしまい、探します。
たくさんの猫と出会い、優しくしてもらいます。
また、一緒に暮らしていた「いじわるねこ」が本当はいじわるではないこともわかりました。
本物の猫になれなくても、「せかいいちのねこ」。
みんなが「せかいいちのねこ」だとわかります。
登場する猫たちの優しさに心温まる絵本です。
これを読んで「自分自身も世界一だ」と自己肯定できると良いですね。
お子さんには、ぜひ「あなたは世界一」だと言ってあげて欲しいです。
この絵本のイラストもじっくりみたくなる不思議と引き込まれる絵です。
最後にモデルとなった猫の写真が載っているのも興味深いです。
いらないねこ
著者:ヒグチユウコ
初版発行:2017年9月
発行所:株式会社白泉社
「ふたりのねこ」「せかいいちのねこ」に出てきた「ニャンコ」が主人公です。
「ニャンコ」がまだ目も開いていない子ねこを拾います。
「ニャンコ」は、いじわるではないけど「いじわるねこ」や他の猫たちの協力を得て、子ねこを育てます。
ある日、子ねこが家の人にみつかってしまい、どこかへ連れていかれました。
子ねこは、他の猫もいる家に引き取られたのです。
「ニャンコ」は、子ねこと再会します。
子ねこは、自分は「いらないねこ」だったと家出をします。
子ねこは、家出先の本屋の猫に黒いワンピースをもらいます。
その黒いワンピースは、「ふたりのねこ」に出てきた「ねこ」が着ていたのと同じようでした。
子ねこはそれを着てぬいぐるみのおとうさんに会います。
黒いワンピースを子ねこが着ているのを見た「おとうさん」は、涙を流します。
子ねこの家の猫たちが迎えに来ました。
最初は渋っていた子ねこでしたが、家族に愛されていることを認識し家へ戻ります。
命を粗末にして簡単に猫を捨ててしまう人間。
それに対し、引き取って大切に育てる猫たち、そして愛情ある人間の家族。
嬉しい出会いと悲しい別れ。
複雑な思いの交差する大人も楽しめる絵本です。
子猫も可愛く、他の猫たちの表情も豊かでついジッと見てしまうイラストです。
「ふたりのねこ」「せかいいちのねこ」「いらないねこ」の順番に全て読むのが良いですが、中でも「いらないねこ」が一番おススメです。
ほんやのねこ
著者:ヒグチユウコ
初版発行:2018年11月
発行所:株式会社白泉社
「せかいいちのねこ」「いらないねこ」に出てきた「ほんやのねこ」が主人公のお話。
「せかいいちのねこ」では単なる食いしん坊猫かと思っていましたが、「いらないねこ」では優しいお姉さん猫。
「ほんやのねこ」では、まさかと思うような様々なお客さんが本屋に来て、ワクワクします。
そのお客さんにそれぞれ合う本を選んだり、ナイスな対応のほんやのねこ。
おしゃれでキレイで頼もしくって、みんなのアイドルだったのですね。
イラストも細部まで描かれていてステキです。
ニャンコファンには、必見。
Higuchi Yuko Artworks ヒグチユウコ作品集
著者:ヒグチユウコ
初版発行:2013年12月
発行所:株式会社グラフィック社
絵本を制作するよりも前に描いていたイラスト集です。
猫の顔の表情が細かくて上手。
ウサギやキノコなどにタコ足をくっつけたり、意外な組み合わせが面白い。
女の子が可愛くて魅力的。
ライオンも細かい。
デザインが凝っていて楽しい。
こんな細かいのがペンで4時間で描けてしまうとは。
流石としかいいようがないですね。
BABEL Higuchi Yuko Artworks
BABEL Higuchi Yuko Artworks 通常版
著者:ヒグチユウコ
初版発行:2017年5月
発行所:株式会社グラフィック社
紙質や印刷にもこだわった作品集。
元の絵と比べてみても面白い。
古典的な絵にユーモラスなヒグチユウコの世界観が絶妙にマッチしていて見入ってしまいます。
金箔押しがあるのも豪華でステキ。
私が特に気に入ったのは金箔押しあってもなくても以下の3つです。
『ひとつめ一族の野望』
ピーテル・ブリューゲル1世の描いた「バベルの塔」を元に、ヒグチユウコの世界観を融合させた絵。
金箔押しと深緑色からブラックへの色の変化も良い。
『はまぐりの船にのる音楽家たち』
ヒエロニムス・ボス様式の「ムール貝」が元。
ギュスターヴくん(頭が猫、体がタコ、手が蛇のモンスター)たちが人間と共に音楽を奏でています。
なんか乗っている人たちも可笑しい。
『略奪者たち』
元は、ヒエロニムス・ボスの「放浪者(行商人)」。
男が買った魚を得体の知れない生き物(ギュスターヴくん)たちに奪われそうになっています。
元の絵の籠には猫の毛皮が結びつけられているのですが、この絵には可愛い猫の顔した生き物にたかられているのが面白い。
後の建物には、ひとつめや足のはえた魚が描かれているのもなんかシュールで笑えます。
細かい部分に色々いるのをみつけるのも楽しいです。
まとめ
ヒグチユウコさんの世界観は、見ていて飽きないです。
細かい部分まですごい、面白いですね。
でも、なんといっても、猫が可愛いですね。
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