「だるまちゃん」シリーズ絵本作家の故加古里子さんまとめ
絵本作家の加古里子(かこ さとし)さんの作品「だるまちゃんとてんぐちゃん」をご存じでしょうか?
家の愛猫(元猫カフェの副店長)「だるまちゃん」は、目も顔も「だるま」のように真ん丸で、この絵本の「だるまちゃん」のように可愛さがあったので「だるま」と名付けました。
故加古里子さんの他の絵本も好きなので、ご紹介します。
うちの「だるまちゃん」です。
目次
加古里子さんのプロフィール
加古里子さんは、1926年に福井県に生まれました。
東京大学工学部応用化学科卒業。
工学博士。技術士(化学)。
昭和電工に就職し研究者として働くかたわら、子供会の世話にかかわり、自作の紙芝居を上演するなどの活動を始めました。
33歳のとき、「だむのおじさんたち」で絵本デビュー。
1963年「かわ」で産経児童出版文化賞大賞を受賞。
47歳で早期退職し、専業作家となりました。
著作は600点以上で、90歳を過ぎても旺盛は創作活動をしていました。
絵本のほか、紙芝居・幻灯・童話に秀作が多数あります。
2018年5月2日、慢性腎不全のため神奈川県藤沢市の自宅で亡くなりました。
加古里子さんの主な作品
『だむのおじさんたち』
Amazon商品説明より
1959年の「こどものとも」(福音館書店)で発表された加古里子の絵本デビュー作が、長年の時を超えてついに復刊。ダムの工事現場を舞台に、リスやサルやシカなどの山の動物たちや、トラックやブルドーザーなどの働く車がたくさん登場。四季を通じておじさんたちは働き、そして、ダムは完成します。
戦後日本の高度成長期にダムを作るために働くおじさんたちが力強く描かれています。
『かわ』
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内容紹介
高い山の雪どけ水や、山に降った雨から生まれた小さな流れは、谷川となって山を下ります。小さな流れは、ダムに貯められて発電所で電気を起こしたり、激しい水の勢いで岩をくだいて小さな石ころにしたりします。そして、やがて平野に出るとゆるやで大きな流れになります。田んぼを潤し、水遊びや魚釣りの場となり、いつしか大きな川になって、最後に海へとそそぎます。一つの川をめぐる自然と人間の営みを横長の画面いっぱいに細部まで描き込んだ絵本です。出版社からのコメント
「だるまちゃんシリーズ」でお馴染みの加古里子さんの二作目の絵本です。表紙が地図として描かれていますが。これは科学者でもある加古さんの得意技を編集者が見抜いて考えだしたものです。また、表紙に描かれている二人の子ども、実は加古さんの娘さんです。加古さんは、忙しかったから子どもとなかなか遊んでやれず、自分は良い父親ではないとおっしゃっていましたが、お子さん想いの加古さんの姿がここに垣間見られます。 『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』と合わせてお楽しみください。 読んであげるなら:4才から
『海』
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内容紹介
身近でありながら、今なお、多くのなぞを秘めている海。この海にすむ動植物から未来の海中農業、海底開発まで、海の持っているすべてを総合的に整理し、こまかく描きこんだ絵本図鑑。出版社からのコメント
ページを追うごとに、少しずつ深い海、遠い海の様子が描かれています。
遠い海というとイメージしにくいかもしれませんが、子どもの身近な疑問に一つずつ丁寧に答えることの積み上げのため、読み終わると、きっと海の虜になるでしょう。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
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「だるまちゃん」は、友だちの「てんぐちゃん」のうちわや帽子などちょっと変わった持ち物が欲しくてたまらない。お父さんの持ってきてくれるものには納得がいかず、自分で工夫しながら手に入れていくだるまちゃん。最後には、てんぐちゃんの長い鼻が欲しくなってしまうのだが…。大好きな友だちと同じものにあこがれる、子どもの純粋な気持ちがストレートに伝わってくるロングセラー絵本。初版は1967年。
お父さんの「だるまどん」を筆頭に、家族総出でだるまちゃんを応援する様子も、あたたかく、コミカルに描かれていく。特に楽しいのは、お父さんが色々な形のうちわ、帽子、靴を出してきて並べる場面。帽子なら、学生帽、サンタクロースの帽子、コック帽、新聞で折ったカブト…40種類近くがずらりと並ぶ。生き物ではないのに、ひとつひとつに表情があるような遊び心のある描き方は、加古里子ならでは。
だるまちゃんとてんぐちゃんが仲良しなのが微笑ましいです。
『だるまちゃんとうさぎちゃん』
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内容紹介
雪の日、だるまちゃんが雪だるまの目にしようとしたリンゴが、雪の坂をうさぎちゃんたちのところまで転げ落ちていきました。だるまちゃんは、うさぎちゃんたちといっしょにいろいろな雪だるまや、雪ウサギを作ったり、ウサギの手袋人形を作ったりして遊びます。ナプキンをウサギの形にする折り方、リンゴをウサギやだるまの形にする切り方など、遊びがいっぱいつまった絵本です。
『だるまちゃんとかみなりちゃん』
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1968年に刊行された、世代を超えて愛されている「だるまちゃん」シリーズの2作目。英語翻訳版も出版されており、サンケイ児童出版文化賞推薦図書、全国学校図書館協議会選定図書に選ばれるなど評価も高い。同シリーズとして『だるまちゃんとてんぐちゃん』『だるまちゃんとうさぎちゃん』などがある。ぴかぴか ごろごろ がらがら どしん、と小さなかみなりちゃんが落ちてきた。かみなりちゃんと仲良くなっただるまちゃん。迎えにきたかみなりどんに連れられて、雷の国へとやってきた。雷公園のプールで遊んで、雷町稲妻通りゴロゴロ番地のかみなりちゃんのうちへ行こう。
雷の国では、プールもビルも食卓も、何もかもに2本のツノがはえている。しかも、電気が豊富にあるらしく、雲も電気で動いているし、電話もテレビもビリビリしている。細部まで描きこまれたイラストは何度見ても、新しい発見があって飽きることがない。親子そろって楽しめる1冊である。(小山由絵)
『はははのはなし』
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商品説明
「ははは はっはっはっはっは」と、みんなおもしろそうに笑っているのに、1人だけ泣いている子がいる。ははあん、「歯」が痛くって泣いているのだ。そんなに痛いならいっそ「歯」なんかなければいいと思いませんか?だるまちゃんシリーズで知られる加古里子による「歯」の絵本である。著者自身が優しく丁寧に説明するのは、歯の役割、歯を丈夫に守るための方法、なぜ虫歯になるのか、丈夫な歯と丈夫な体の関係など。各ページの最後はかならず問いかけでおわり、ページをめくるとその答えが用意されているという展開には、よどみがなく飽きさせない。そして「歯」と「ははは」という笑いをかけて最後は笑って本を閉じることになるのだ。
1970年に福音館書店の月刊科学絵本「かがくのとも」に取り上げられ、1984年に装丁を新たに出版された傑作絵本である本書は、歯みがきを嫌がる子どもたちだけでなく、すべての子どもたちに歯について考えるきっかけを与えてくれる1冊である。(小山由絵)
『とこちゃんはどこ(絵)』
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内容紹介
赤い帽子と青い半ズボンの元気な男の子、とこちゃん。市場でお母さんがおしゃべりしているまに、とことこかけだして、どこかへいってしまいました。人ごみの中をさがしていくと、ああ、いたいた! 動物園、浜辺にお祭り、デパート……人ごみにまぎれたとこちゃんを探そう! 絵さがしの絵本の元祖ともいえる、子どもの大好きな絵本です。出版社からのコメント
絵探しとしても子どもたちに今でも人気の本作品は、「こどものとも」の1970年4月号として刊行されました。手がけたのは、「うさこちゃん」シリーズの翻訳や、『おふろだいすき』の文でもお馴染みの松岡享子さんと、「だるまちゃん」シリーズの加古里子さん。当時ご自宅で文庫を開いていた松岡さんが、小さな子どもたちが、『絵本百科』(平凡社)の細かくびっしり描かれた絵をとても熱心にいつまでも飽きずに見ていた様子に気づき、本作品の構想が生まれたといいます。大人にとってはごちゃごちゃして情報量が多いように感じられる絵かもしれませんが、子どもたちはそのなかから自分が見たいものをまっすぐに選びとる能力があるようです。自分が知っていることを、絵本の中にみつける喜び。絵探しと同時に、そんな満足感を子どもたちに心ゆくまで味わってもらいたい。松岡さんのそんな思いがこの作品には込められています。 読んであげるなら:3才から
『からすのパンやさん』
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商品説明
カラスの町「いずみがもり」にある、1軒の売れないパン屋さん。お父さんお母さん、4羽の子ガラス、家族みんなで、楽しい形のパンをどっさり焼いた。パンを買いにやってきたカラスの子ども、おじいさん、おばあさん、そしてなぜか消防自動車、救急車、テレビのカメラマンまでやってきて森は大騒ぎに…。思わず目を奪われる「たのしい おいしい パン」の見開きページには、80種類以上ものパンが描かれている。いちごパン、ゆきだるまパンなどなじみのある形のものもあれば、ヘリコプターパン、はぶらしパン、さざえパンなどなかなかパンにしないような形のものまで、こんがりと色づいて並んでいる。
集まってくるたくさんのカラスたちも、ひとりひとりが実に個性的。すましていたり、怒っていたり…おばあさんカラスにはしわもあるし、お嫁さんカラスだっている。パンのページを堪能したら、ぜひ「もう一度からすたちの表情をみて笑ってください」(著者「あとがき」より)。(門倉紫麻)
この絵本も大好きです。
特にパンの種類がいっぱいあるところが。
この絵本の種類で「かこさとし あそびの絵本」色々あります。
おたまじゃくしの 101ちゃん (かこさとし おはなしのほん( 6))
にんじんばたけの パピプペポ (かこさとし おはなしのほん( 8))
『どろぼうがっこう』
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内容紹介
まぬけな校長先生と生徒たちの世にもおかしなどろぼう学校の話。ある真夜中、みんなは町で一番大きな建物にしのびこみました。
『おにごっこじんとりのあそび【遊びのわんぱく体育祭】かこさとし あそびの大宇宙1』
おにごっこじんとりのあそび―遊びのわんぱく体育祭 (かこさとし あそびの大宇宙)
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商品の説明
子どもは、大人とちがって成長する者です。細胞がふえ、体は大きく、骨は強く、筋肉はしなやかになってゆきます。そのため戸外で体を大きく動かす子どもの遊びは、特に大事です。この伸びゆく者の、全身の楽しい遊びを集めたのが、この巻です。
この本以外にも あそびの大宇宙全10巻まであります。
もりいずみはらっぱあそび 遊びのうみやま探険隊 (かこさとしあそびの大宇宙)
んちゃんがまめたべてのあそび―遊びの情報こうしん曲 (かこさとしあそびの大宇宙)
『伝承遊び考〈1〉絵かき遊び考』
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内容紹介
大人の文字絵だった「へのへのもへじ」も、子どもたちが自分の遊びにすると、たちまち何十もの多様な種類になります。その知恵とエネルギーはいったいどこから出てきたのか。「ツルサン」「タコ」など、収集した十万点以上の絵かき遊びを図と歌詞の両面から分析し、絵かき遊びに秘められた子どもの姿を探ります。収集資料数 約10万1000点。
掲載遊び例:へのへのもへじ、キンギョ、カサ、ヤカン、ガイコツ、ウチワ、カッパ、コックさん、ニンギョウ、タコ、アヒル、タヌキ、ウサギ、ブタ、ピエロ、ヤツボシ、マルチャン、つーチャン、スウジ、カメノコ、ツルサン、ヒマワリ、チンドンヤ、その他中国、ロシア、オーストラリア、デンマークの絵かき遊びなど。
著者からのコメント
筆者が実際の子どもに接するようになったのは、一九五〇年頃。以来五〇年程の間、全国から提供された延べ二九万余の資料を分析考察したのが4冊の本書である。しかし単に遊び方や面白さを羅列したものではない。
子どもの遊びは種類も多いが、同系で少異なのが多数ある。なぜ同じようなのがあるのか、どうして違ったものができたのかを探ってゆく間、気付かなかった暗流や大きな基本事項が浮かび上がってきた。
そもそも伝承遊びは、みな子ども大衆の力で作られ、支持されてきた。たとえ一時期一地域で特定の子が案出したとしても、他の子の共感がなければ消滅し、他への伝播は絶えてしまう。したがって遊びの背後には無名普通の子の判断選択があり、それにより遊びが保持されてきたのである。
また、円や四角を組み合わせた図形で行う石けり遊びでは、その区画の数や並べ方で多くの変化が展開されるが、場所や体力の制約から、一定の限度に達すると、次は異なった人型図形等へ変わってゆく。このより高い内容や目標への飛躍は、子の持つ「向上」の姿勢である。
一方、鬼遊びなどでは、必ず幼少児のため、「タンマ」や「ミソッカス」の対策がある。それは体力能力による優劣勝敗のみの追求ではなく、同じ仲間として楽しみを共有しようという「共生」の精神の発露であろう。
こうした素晴らしい生きる姿勢と人間性は、各種のネーミングや囃し言葉、歌曲、ユーモアに富む罰則などにも見出すことができる。
以上のような遊びの宝を独り占めしては申し訳なく、また快く資料をくださった子どもと有志の方々へ、一刻も早く恩返しの報告としてまとめたのが本書である。全国の親御さんはもちろん、大人の方全員に、遊びの背後で子どもたちがこんなにも気高く、意欲を持って生きようとしていることを知っていただきたいと願っている。
まとめ
工学博士でありながら、子どもの遊びや絵本の世界へと移って行った加古里子さん。
やっていた仕事が絵本にも活かされています。
仕事も遊びも子どもも好きだっのでしょう。
どの絵本を見ても愛情の深い人だったと感じられます。
90歳過ぎてもご活躍されていたのは、すごいですね。
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