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電子絵本「子猫のソイとクリ」Kindleで好評発売中!

初めてKindleに電子絵本「子猫のソイとクリ」を出版して1位を取った経緯を公開!

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絵本などの情報を愛込めてお贈りします。

2017年の12月に初めてKindleに電子絵本「子猫のソイとクリ」を出版しました。

試行錯誤の結果、最初に5日間の無料キャンペーンを行い、5日間「絵本」「読み物」カテゴリーで1位を獲得しました。

電子絵本を出版するまでの経緯やどうやって1位を取ったのか、公開します。

目次

なぜ電子絵本を出版することに決めたのか?

私は以前「こねこのソイとクリ」というスマホアプリをGoogle PlayとiTunesストアに出しました。

そこでユーザーより素敵なレビューコメントをもらいました。
相手の方と何度かメールのやり取りをし、「癒された」「曲を何回も聞いて涙した」ということも知りました。

そうして、この絵本(アプリ)は人の役に立つと確信しました。

でも、私は当時絵が描けなかったので、このアプリは写真を使って適当にデザインしたものでした。
「もっとちゃんとした絵で紙の本で出したい」そう思っていました。

絵本制作を始める 2017年2月末まで、私は猫カフェを経営していました。
猫カフェを始めたのは2014年6月、当初はあまり売り上げもありませんでした。
それでも、色々試して頑張っているうちに良くなり安定していました。
でも、人件費などかかるので利益はありませんでした。

猫カフェをもっと良くするにはどうしたら良いのか?
色々考えましたが、利益を出すには大きな開拓が必要だと思いました。
けれども、それには多額の資金もかかり、元を取るには何年もかかかります。

ある日、某自己啓発セミナーに参加し「自分が本当にやりたいことは何か?」を考えました。
そこで、やり残していたこと「絵本制作」が心に引っかかりました。

猫カフェを経営して2年8カ月、お店で自分のやりたいことは色々とやってきましたし、知識を得たり成長もできました。
もういいんじゃないのか?

いくつものことを同時には出来ないので、スパッと猫カフェを辞めて他の人に譲り、「絵本制作」をやることにしました。

 

電子絵本を作るのにやったこと

マーケティング、目標設定と公言

紙の絵本を自費出版すると、お金は100万以上かかり、それでも多くの人に広まるのは難しいです。
出版社から絵本を出してもらうには、コンテストで優勝するか、または編集者とやりあって平均5年かかります。

以前、文芸社の「絵本大賞」というコンテストのストーリー部門に応募したことありますが、結果は落選でした。
そのうち、文芸社から電話がかかって来ましたが、「自費出版しないか」という話でした。
おそらく落選した人のほとんどに営業かけているのでしょう。

猫カフェのお店を経営してわかったことは、ネットを使えば安くて効率よく集客できるということでした。
そこで、まずは電子絵本で出版しよう、それも一番集客しやすいKindleでと決めました。

元々猫の情報メディアのサイトを作っていたのでサイトの作り方はわかっていました。
そこで、自分のファンを集めるためのサイトを作ることにしました。

また、色々なネットのコミュニティなどにも入っていましたが、そこでも自分の目標を公言し、宣伝するのと同時に自分を追い込んでいました。

目標:電子絵本「子猫のソイとクリ」を出版し、Kindleのカテゴリー別で1位を取る

 

色鉛筆画講座に通う

以前、色鉛筆画の本を見て絵を描いてみたら、上手に描けたのがこの本です。


カラーセラピーで心がいやされる 幸せ色えんぴつレシピ

本当ならば、誰かに絵を頼めば早いのですが、それにはお金もかかります。

それに、他人に描いてもらうとにニュアンスが伝わらず、自分の思っていたのと違う物になってしまうかもしれません。

自分の想いを伝えたい。
それには、下手でも自分で描いた方が伝わるんじゃないだろうか。

そう考えて、自分で描くことにしました。

とにかく早く上手く描けるようになりたいと、色鉛筆画の通信講座を始めました。

それから、家の近くでも月に2回、色鉛筆画講座をやっているのを知り、そこに通うことにしました。

通信講座は、終了しました。

月2回の色鉛筆画講座は、先生がとても丁寧にわかりやすく教えて下さるので、今も続けています。

 

絵本教室に通う

子どもたちが幼いころ、ずっと絵本を読んでいたので、絵本についての知識を持っていました。

けれども、絵本を読むのと絵本を作るのでは全く異なります。

地元の絵本のイベントの時にボランティアを経験し、その時にあった絵本に詳しい人々にアプリの作品を見てもらいました。
そして、もっと言葉を幼い子でもわかりやすいようにした方が良いこと、自分には絵本制作の知識がないことがわかりました。

そこで、色々と調べ、絵本教室にも通うことにしました。
家の近くになかったので、家から教室まで1時間半以上かかりますが、月4回通うことにしました。

絵本教室で得られた知識も役立っています。

今は通う回数減らして2冊目の絵本に取り掛かっています。

 

絵本制作

構成を考え、ラフを書く

絵本のストーリーを場面に分けます。
ページごとにどのような絵を描くのか、また文章はどうするのか決めます。
文章をどこに入れるのか場所も考えます。
縦書きの場合は右から左へ、横書きの場合は左から右へとページが進みます。
それを踏まえて、登場人物の向きや空間の開け方を工夫します。

一般的な紙の絵本の場合、製本の関係上、8ページ・16ページ・24ページ・32ページというように8の倍数で作られることが多いです。

例えば、16ページの場合

  • 表紙
  • 中表紙(表紙と同じでOK)
  • 見開き7点の絵(14点の画像)
  • 奥付(書名、著者、発行者、印刷者、出版年月日等を書いている部分)
  • 裏表紙

となります。

Kindleはページ単位なので何ページでも構いませんが、その後紙の絵本を作ることも考えたら、意識しておいた方が良いです。

絵を描く

ページごとの絵を描きます。

私の場合は、最初に猫の絵を描いてみたら割と上手く描けたので、絵本に使えるようであれば挿絵だけでもと自分で描くことにしました。
ですから、順番が逆でした。

パソコンで編集もできるので、切り抜いたり向きをかえたりもできますし、どうにでもなると思っていました。

確かにどうにかなりましたが、最初から1ページのお話として描いた方が断然良いです。
向きを変えたり、絵と絵を組み合わせると不自然な感じになりがちです。

紙の絵本の場合は、1ページでなく見開き2ページでどう見えるのか考えて描きます。

 

スキャナで取り込んで画像編集

描いた絵をスキャナで取り込みます。

紙の絵本であれば、印刷屋さんに原稿を渡してスキャンから絵本まで作ってくれる所もあります。
でも、Kindleに出版するので自分でスキャンから画像作成・投稿までします。

家のスキャナは原稿台(A4サイズよりも少し大きい)サイズまでしか取り込みできません。
もっと大きなサイズを取り込む場合には、コンビニなどでスキャンするしかありません。

スキャナの性能は、どれもそれほど変わりないと思います。
でも、薄い水色がほとんど映らないのは困りました。
せっかく影を薄い水色で描いたのに、スキャンしたらなくなってしまいました(泣)

絵本教室の先生も同じことを言われていました。
こればっかりはスキャンしてみないとわからないです。

画像処理上手くできるのであれば、後から絵描き足すという手もありますが。

家のスキャナには「ドキュメントモード」と「フォトモード」があり、「フォトモード」の方が薄い色まで拾ってくれます。
ですから「フォトモード」を使いましたが、描いている部分のみ拾うので1ページのサイズにならず、後から編集が必要でした。

「ドキュメントモード」なら1ページのサイズになりますが、薄い色はゴミとして処理されるのでなくなります。

Kindleで出版する

Kindleに登録

Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)にアカウントを登録をします。

https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/signin

Kindleに登録して出版する場合、「KDPセレクト」に登録することができます。

KDPセレクト」に登録すると、70%の高いロイヤリティが支払われます。

また、2種類のキャンペーンツールがあり、期間限定の割引または無料キャンペーンを行うことができます。

そのかわり、その本のデジタル版を Kindle ダイレクト・パブリッシングでのみ独占的に販売することに承認したものとみなされます。
つまり、紙の絵本なら良いのですが、同じデジタル版の絵本は、他で売ることができません。

それでも、70%のロイヤリティとKindleの集客力を考慮すると「KDPセレクト」に登録する価値は十分あります。

 

Kindle Kids’ Book Creator をダウンロードする

Kindle Kids’ Book Creator をダウンロードします。
Mac版とWindows版があります。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/how-to-publish-childrens-books

ダウンロードしたファイル(KindleKidsBookCreatorInstaller.exe)をダブルクリックしてインストールします。

言語の選択は、Japanese 日本語にします。

デスクトップにアイコンが表示されます。

Kindle Kids’ Book Creatorで絵本データを作成する

予め用意しておくもの

絵本を作成する前に、あらかじめ画像データと文字データ(メモ帳に作ればOK)を作成しておきます。

画像データは、pdf・tif・jpg・png形式のどれかです。

画像データの名前を順番に、絵本01.jpg・絵本02jpg・絵本03.jpg・・・のように連番で作成しておくと便利です。

 

文字について

Kindle Kids’ Book Creatorに画像を取り込んで、後から文字を打ち込んで入れることができます。

私は、漢字にルビをふっており、デザイン的な問題もあるので、画像に文字も入れてしまいました。

でも、文字を画像にしなければ、検索したり、特定の文字をマークすることもできます。

また、画像だと大きな画面で見たときに文字がぼやけてしまう可能性もあります。

文字だけのデータであれば、文字をタップするとポップアップして大きく表示させることもできます。

 

Kindle Kids’ Book Creatorの起動

データが揃ったら、Kindle Kids’ Book Creatorのアイコンをダブルクリックして起動します。

「新しい児童書を作成」をクリックします。

「本の言語を選択して下さい」には日本語がないので、「English」を選択しました。

本のレイアウトは、「1度に1つの画像を配置」にしました。

 

リンクを貼りたい

私が特に困ったのは、サイトへ飛ばしたいのに文字になかなかリンクを貼れなかったことです。
絵本の中身は画像だけなので良いのですが、リンク先へ飛ばしたい部分はテキスト入力しました。

普通は絵本でリンク張りたいなんて人いませんよね。

電子書籍の場合には、よく最後にプレゼント用意し、その受け取り先のアドレスが表示されています。
そこからプレゼント欲しい方にメールアドレスを登録させます。
メールアドレスを取得したら、メルマガ配信などします。

自分の電子絵本を購入してくれた人なので、また電子絵本を出版した時にお知らせもできます。

あとは、YouTubeに絵本の曲がアップしてあるので、それを聞いて欲しかったのです。
この絵本「子猫のソイとクリ」の癒しは、絵・ストーリー・曲の相乗効果があります。

 

テキストにリンクの貼り方

まず、テキストを追加します。

テキストを入力するボックスが現れますので、ここに文字を入力します。

このままですと、絵本をダウンロードして見る人が文字をクリックするとポップアップで文字が大きく表示されるようになります。
それだと文字をクリックしてリンク先へ飛ばすことができません。
ですから、右クリックしてポップアップを削除します。

そうすれば、HTMLのリンクタグをつけてもエラーにならずに済みます。
これがなかなか分からず苦労しました。

表示からタブを追加表示できますので、HTMLビューをチェックして表示させます。

 

HEMLビューでリンクを貼りたい文字の前後にコードを追加します。
例えば、リンクを貼りたい文字が「リンク先」でリンク先のアドレスが「https://youtu.be/YABk-6OltFQ」の場合、

<a href=”https://youtu.be/YABk-6OltFQ” target=”_blank”>リンク先</a>

となります。

電子絵本の出版用データを作成

絵本の編集が終わったら、「ファイル」「出版用に保存」でKindleにアップするファイルを作成します。

Kindle Kids’ Book Creatorで電子絵本の編集をするファイルの拡張子は「.opf」
Kindle Kids’ Book CreatorでKindleに出版する電子絵本ファイルの拡張子は「.mobi」

 

Kindleに電子絵本を登録

Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)にサインインします。

本棚より「電子書籍または有料漫画」をクリックし、新規登録します。

項目に入力し、mobiデータをアップロードします。

特に何もなければ48時間以内に出版販売されるとのことでしたが、次の日にはもう出版されていました。

出版されてからすぐに5日間無料キャンペーンを行いました。

5日間ずっと「絵本・児童書」カテゴリーで1位でした。

無料期間が終わって有料になると順位が落ちましたが、「絵本の新着ランキング」で1位になれました。

     

まとめ

私のような未熟者でもKindleで1位取ることができました。
応援してくださった皆さんのおかげです。
本当にありがとうございました。

1位になって何か変わったかというと、特に何も変わりませんでした。
ただ、「電子絵本を出版した」と言えるようになりました。

私の使命のひとつは達成できたなと思っています。
もしかしたら、この絵本を出すことにより、一番癒されたのは自分自身だったのかもしれません。

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絵本などの情報を愛込めてお贈りします。

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育児を通して絵本が大好きになりました。
子どもたちが幼い頃から猫を飼い、猫が大好きになりました。
猫カフェをやっていたこともあります。
子猫の絵本を制作したいと色鉛筆画や絵本制作を習い始めました。
2017年12月にKindleで「子猫のソイとクリ」を出版し、Kindle絵本・児童書のカテゴリーで1位を獲得しました。
2019年第3回日美展に色鉛筆画が入選・佳作を取りました。
4歳からできるプログラミング言語「ビスケット」のファシリテーターになりました。

渡辺一二三
(わたなべひふみ)




Comment

  1. samua より:

    はじめまして、samuaと申します。絵本、読ませていただきました。ふんわりした毛並みがよく表現されていてとてもかわいいです。お伺いしたいのですが、Kindle Kids’ Book Creatorを使用した場合、英語版と表示されてしまうと思うのですが、どうやって表記をなくしたのでしょうか?

    • KuLeon より:

      お返事遅くなりすみません。
      絵本読んで下さり、ありがとうございます(^^)

      だいぶ前のことなのでどうやったのか忘れていました。
      ちょっと調べてみましたら、どうやらKindle Kids’ Book Creatorは日本語版がなく、とりあえず「English」で進めると、あとでメニューの設定から言語設定で日本語を選択できるようです。

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